韓国、無駄にウォン安に抵抗したせいで外貨保有高が4年7ヵ月ぶりの最低値になるまでドルを食いつぶす

1月の外貨準備高は4,110億ドル、4年7ヵ月ぶりの最低値

韓国の外貨準備高が4,110億ドルに下がり、2020年6月以来の最低値になった。ウォン安の勢いに外国為替当局がボラティリティの緩和措置に乗り出した結果だ。今年1月には1,470ウォン台にまで急騰したドル・ウォン為替レートを防御するために当局がドル売りに乗り出した上、四半期末効果の消滅にともなう金融機関の外国為替預金の減少や、国民年金との外国為替スワップの影響が作用した。外貨準備高の順位は17ヵ月連続で世界9位を維持した。

韓国銀行が5日に発表した「2025年1月末の外貨準備高」によると、先月末基準の外貨保有高は4,110億1,000万ドル（＝約62兆4,735億円）で、先々月末の4,156億ドル（＝約63兆1,712億円）より45億9,000万ドル（＝約6,976億円）減少した。昨年11月以来2ヶ月ぶりの下落で2020年6月に記録した4,107億5,000万ドル（＝約62兆4,340億円）以来の最低値となった。

尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の非常戒厳から始まった政局不安と共にドナルド・トランプ大統領の関税・不法移民政策などのためにドル・ウォン為替レートが1ドル1,400ウォン台後半までウォン安が進むと、外国為替当局が市場のボラティリティの緩和措置に乗り出したためにドルを売った理由が大きい。

国民年金との外国為替スワップの拡大や四半期末効果の消滅による金融機関の外貨預金の減少などからも影響を受けた。外国為替当局は国民年金と650億ドル（＝約9兆8,800億円）規模の外国為替スワップを結んでいる。国民年金が外貨保有高からドルを引き出して使う場合は外貨保有高が減少するものの、満期時には還元されるため外貨保有高の減少は一時に止まることになる。

（後略）